学院義肢装具学科 | 有薗裕樹、星野元訓、根岸和諭、高嶋孝倫、大石暁一 |
学院義肢装具学科は国内初の義肢装具専門職員の養成校として1982年4月に開校し、 一昨年度で節目となる20年を経過した。この年の第18回業績発表会においては本学科の カリキュラムの1つである卒業研究を中心として義肢装具学科の変遷について報告したが、 本発表では入学生・卒業生の動向について報告する。
開設当初の昭和57年から平成2年までは定員10名に対して15〜30名前後と少数で あったが、平成3年から増加傾向を示し、一昨年度には200名を超える志願者数となった。 また、他の義肢装具士養成校の入学志願者数についても時期は異なるが、近年増加傾向にある。
学歴により高校・高等専門学校・短期大学卒業と学士・修士・博士課程卒業との
二つに大別すると、平成8年度頃より後者の割合が増加して、それに伴い平均年齢も上昇した。
また近年、大学を卒業後、一旦は就職したが、他にやりがいのある仕事として義肢装具士
を選択し、入学する学生が増加している。
平成14年度までに193名の卒業生を送り出しているが、男女比で言うとまだ女性の
卒業人数は少ないものの、平成6年度より女性の占める割合が3割程度と増加傾向にある。
就職状況については過去12年間についてまとめてみると、全国の各養成校の卒業生数と
求人数を考慮しても、現在のところ求人数が求職数を上回っている。
民間の義肢装具製作施設に就職する割合が圧倒的に多い。また、その中でも近年、 整形靴や座位保持装置等について積極的に取り組んでいる会社に就職する卒業生も多く、 当センター学院で主催する研修会に参加し、その知識・技術の習得に励む卒業生も多い。 その他に義肢装具士養成校・病院・リハビリテーションセンター・材料メーカーなどに 就職している。
義肢装具学科開設から20年余りを経過し入学生の傾向は大きく変わってきている。 教育側の立場としては、入学以前に学生が経験し、培った能力を最大限に引き出しつつ、 義肢装具に限らず物事に対する柔軟な考え方・発想力・創造力を養えるよう今後とも指導を 行っていきたい。