令和5年度 臨床研修講座 実施報告
臨床研修講座は、当センターを卒業・修了されて5年以内の方に対して、卒業後の職場定着支援の一環として、理療技能について一層の向上を図ることを目的に開催しているものです。
今年度は、「経絡を意識した手技療法 その2」を演題として1日実施しました。
講師の鈴木格先生は、学校法人花田学園日本鍼灸理療専門学校の専任教員として15年間ご活躍されている一方、当センターの非常勤講師として6年間ご勤務いただいております。また、プロスポーツ選手のトレーナーなどの実績もあり、教育と臨床両方の現場で幅広くご活躍されています。
鈴木先生には昨年度も「経絡を意識した手技療法」の演題でご講演いただきました。今回は「その2」として、さらに知識・技術を高めるものとなりました。
はじめに総論として、実技を行う上で意識されている気血津液の考えについて講義を行い、その後実際に体を使って実技指導という流れで行われました。
実技では、前腕や肘、膝など大きな面を利用することで、手指を傷めず施術者の体に負担がかかりにくく、しかも効果の高い施術方法をご指導いただきました。
今回の受講者は仕事の都合などにより急なキャンセルが数名あり、残念ながら3名にとどまりましたが、少人数だったため、全身各部の施術法について3名全員が順番に先生から施術を受け、他の受講者に施術し、最後に先生が施術を受けるという形で進められ、濃密な指導が受けられたと思います。
施術方法を体験した受講者はその都度感動の声をあげ熱心に取組みました。そして講座終了後いずれも「丁寧な指導が受けられてよかった。今日指導されたことを今後の臨床に生かしていきたい。」と述べていました。
※気血津液(きけつしんえき)とは
細かく気・血・津液に分けられます。それらは現代医学で言うエネルギー(気)や血液(血)、血液以外の水分(津液)と捉えることができ、生命活動に無くてはならないものです。東洋医学では、その気血津液のバランスが崩れると体に不調が生じ様々な症状が出てくるという考えがあります。
1 日時:令和6年3月17日(日)9:30~17:00
2 会場:訓練棟2階1丁目視聴覚教室及び実技室
3 演題及び講師:
演題:「経絡を意識した手技療法 その2」
講師:学校法人 花田学園 日本鍼灸理療専門学校
教員 鈴木 格 氏
講義の様子
実技指導の様子
令和5年度卒後特別研修会実施報告
当センターでは卒後支援の一環として毎年3月に卒後特別研修会を理療教育課主催で開催しております。
今回の研修会は、4年ぶりに対面方式で実施しました。午前は、日本指圧専門学校の教務課長高橋雄輔先生より、日本指圧専門学校の創設者の浪越徳次郎先生のエピソードや、浪越指圧の手技についてご講演いただきました。休憩を挟み、2グループに別れて実技となりました。高橋雄輔先生、久坂健太先生から浪越流指圧を学びました。午後も実技を4時間ほど行いました。
今回の研修の内容は、浪越流指圧の指の使い方と重心移動の習得を目的とし、体幹部(頭、背中、腰)を中心に、基本指圧を習得する上で最も重要な指の操作を、どのようにすれば効果のある指圧ができるのかを学びました。
参加者は講師の手や体に直接触れながら、浪越流指圧を習得しようと努力していました。また参加者からは多くの質問があり、先生にお答えいただきました。「今回学んだことを今後の臨床に活かしていきたい。」という声が聞かれ、大変有意義な研修会となりました。
1 日時:令和6年3月9日(土)9:30~17:00
2 会場:国立障害者リハビリテーションセンター訓練棟視聴覚教室及び実技室
3 演題及び講師:
演題:「臨床のための基本指圧」~指の使い方と腰背部の施術方法~
講師:学校法人 浪越学園 日本指圧専門学校
教務課長 高橋 雄輔 氏
助手:学校法人 浪越学園 日本指圧専門学校
教員 久坂 健太 氏
講義の様子
実技指導の様子
令和5年度卒後研修会実施報告
当センターでは卒後支援の一環として毎年10月に卒後研修会を東光会(同窓会)との共催で開催しております。
今回の研修会は、4年ぶりに対面方式で実施しました。午前は、明治国際医療大の矢野忠先生にご講演いただき、社会が変化する中であはきをいかに地域に根付かせていくか、施術者・施術所の今後の取り組みに示唆を与える内容で、参加者は施術者として何ができるのか、考えさせられるご講演でした。
午後は、お二人の教育歴が長く、現在開業されている柴田健一先生と吉野徹也先生から実技指導をしていただきました。参加者は講師の手や体に直接触れ、熱心に手技を習得しようと努力する姿がみられた研修会となりました。
※「あはき」とは…あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの総称です。
1 日 時:令和5年10月7日(土)10:30~16:00
2 会 場:国立障害者リハビリテーションセンター
訓練棟2階1丁目視聴覚教室及び実技室
3 参加者:卒業・修了生:30名
内訳:塩原視力障害センター 2名
国立障害者リハビリテーションセンター 28名
4 全体テーマ:
「現代社会に求められるあはきの施術~手技療法を中心として~」
5 演題・講師
「あはき業の展望と視覚障害あはき師の役割」
明治国際医療大学名誉学長 名誉教授 矢野 忠 先生
「上下肢における筋・関節のポジショニングに着目したあん摩実技法
-視覚障害者が効率よく施術できるポイントを提示しながら-」
元筑波大学附属視覚特別支援学校高等部専攻科鍼灸手技療法科教諭
大泉しばけん三療院院長 柴田 健一 先生
「手技療法による軟部組織へのアプローチ(アスター)の基礎」
目白ヨシノ治療院院長、当センター非常勤講師 吉野 徹也 先生