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リハビリセンタートップページ研究所感覚機能系障害研究部 >吃音について
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現在進行中の研究

 当研究部(森研究室)では、吃音について、大きく分けて二つのテーマに注目して研究しています。一つは、吃音のメカニズム解明のための研究、もう一つは、吃音の臨床的評価・指導法の研究です。

1.吃音のメカニズム解明のための研究

  • 吃音のある人の聴覚フィードバック機構
  • 吃音のある人の発話時の脳活動

について調べています。

 聴覚フィードバック機構については、発声時の声のコントロール状態を行動測定法にて調べます(音声を採取してその成分を調べる)。脳活動については、近赤外分光法脳オキシメータ(NIRS)や磁気共鳴画像法(MRI)を使って調べます。NIRS、MRIともに無侵襲で安全な脳機能測定法です。

 当研究室では、これらの研究において吃音のメカニズムに関する知見を増やし、それらを勘案した指導・訓練法を発展させることを目指しています。

2.吃音の臨床的評価・指導法の研究

 現在の日本では、吃音(特に成人吃音)の訓練・指導を受けられる病院・施設等は非常に限られています。そのため、吃音の訓練を実施している病院・施設(当センター病院も含まれます)には、すぐには診察できないほど多くの人が訓練を求めて来院しているという現象が起こっています。

 このような現状を受け、海外で報告されている

  • 自宅でできるコンピューターを使用した訓練方法(Webster,1980; Euler, Wolff, Gudenberg & Neumann, 2009)
  • ビデオを視聴する形式の訓練方法(自身が流暢に発話している場面だけで構成されたビデオを視聴することで吃音が改善されるというもの:Bray & Kehle, 1998; Cream, O'Brian, Onslow, Packman & Menzies R, 2009

の効果を、実際に日本で調べようとしています。これらの方法が有効であることが示されれば、吃音のある人の多くが、頻繁に遠方まで出向く必要なく、効率的に訓練を受けられるようになる可能性があります。訓練の選択肢が広がり、その人の状況にあった訓練方法を選ぶことが可能となります。

 また吃音のある人は「うまく話せない」経験をたくさん積んできているので、吃音が生じたときに様々な工夫(二次的行動)を身につけていたり、複雑な感情を抱えていることが多いです。日常生活を送る上では、これらの付随する問題の方が大きく影響することもあります。そのため、指導・訓練の中でも付随した問題も含め吃音が生活に与えるインパクトを取り扱うために、まずはそのインパクトを評価する方法を作ろうと考えました。

 このような評価法は、海外には存在しますが(OASES; Yaruss & Quesal, 2006)日本にはありません。日本の文化・社会に基づいた評価法を作成し、最終的には、その評価法で捉えた当事者の生活全般に及ぶ吃音の影響(インパクト)を軽減させる指導・訓練の確立を目指す予定です。

 この研究は、まず吃音のある方が、どのような感情をもち、どのような行動をしていて、どのような生活場面で困ることがあるのかという実態を調査することから始めます。直接お会いして、上記のような内容についてお話をうかがい(面接法)、評価項目(質問紙)を作成するという手順を踏みます。

 上記のような評価法・訓練法に関する研究を進めることで、吃音のある人の生活を豊かにすることを目指しています。

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最終更新日:2012年10月27日
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