障害って何だろう?ワクワク・ドキドキ施設体験
〜子ども体験デー開催〜

企画・情報部企画課

 当センターでは、毎年、センター近隣の小学生に障害への理解を深めていただくために「国リハ子ども体験デー」を開催しています。今年度は10月30日、11月22日、24日、29日、1月15日の5日間に5校の小学生(計421名)をお招きし、さまざまな障害に関する体験をしていただきました。また、子供たちの理解や関心をより深めてもらうために、今年度は、オリエンテーション時に障害に関する基本的な知識について説明しました。

○オリエンテーション
画像:オリエンテーションの様子 オリエンテーション
 オリエンテーションでは、障害の種類や障害のある方の人数、障害の程度や状態は個人によって異なること等についてスライドを使用しながら説明しました。また、障害のある人が安心して暮らせるためには、個人のニーズに応じた訓練や補助具等が必要なだけでなく、点字ブロックの設置やエレベーター等のバリアフリー化した街づくり、周りの人とお互いに尊重して理解し合うことが大切なことについてお話ししました。

○アイマスク体験
画像:アイマスク体験の様子 アイマスク体験
 友達と2人1組になって、片方はアイマスクをし、もう片方は肘につかまらせ、センター内を誘導するという体験をしました。アイマスクをすると全く見えないので、どこを歩いているかわかりませんが、誘導役が声掛けをすることで、自分がどのようなところを歩いているのかわかります。また、誘導役が立ち止まったり、体の向きを変えたりすると、誘導役の肘を伝わって、何かがあることを察知することができます。視覚に頼らずに歩くことは不安であること、誘導役が声をかけてペースを合わせることが重要ということが役割を交替してよくわかったと思います。

○ロービジョン体験
 ロービジョンとは、何らかの原因により視覚に障害を受け、「見えにくい」「まぶしい」「見える範囲が狭くて歩きにくい」など、日常生活で不自由がある状態のことをいいます。ロービジョン体験では、見えにくさを体験するために、疑似体験眼鏡(ゴーグル)をかけて、見るものが白く濁っている状態(白濁)や部分的にしか見えない状態(視野狭窄)を体験しました。ゴーグルをつけてキャッチボールをしましたが、視野が狭いため、どこからボールが飛んでくるのか分かりませんでした。また、漫画を読んでみましたが、何が書いているか分かりません。でも、ルーペや拡大読書器を使って文字を大きくすると、読むことができるようになることが分かりました。また、文字と背景の色を白黒反転させると、より読みやすくなる場合があることを実体験できました。

○手話体験
 当センター学院手話通訳学科では、声をつかわずに授業を行います。手話体験では、小学生の皆さんにも同じ形で授業を行いました。教官は手話だけで説明し、生徒も声でお話しすることが禁止されているので、分からないことがあっても友達に聞くことができません。静寂とした教室の中で、生徒は、講師の手の動きに集中し、それを真似することで、「ねずみ」「うさぎ」「犬」「馬」「人間」の手話をすぐに覚えることができました。最後には、覚えた手話で楽しくゲームを行うこともできました。

○義肢装具体験
 義手は、不慮の事故や疾病によって手の切断を余儀なくされた方々が使用する用具ですが、そのうち「筋電義手」とは、筋肉が活動するときに発生する電位(筋活動電位)を利用して動かすものです。初めて見る筋電義手の技術に歓声が上がり、他の能動義手や本物と変わらない装飾義手を目の前に、生徒の目は釘づけでした。義手を使って、柔らかいボール等を掴む体験を行いました。普段は何気なく手に取っている物でも、義手を使って掴むとなると力加減がわかないので、みんなうまく掴めるように一生懸命でした。

○障害者スポーツ体験(車いす)
画像:障害者スポーツ体験(車いす)の様子 障害者スポーツ体験(車いす)
 車いすバスケットボールの競技用車いすをつかって車いすの体験をしました。はじめは慣れない車いす操作に苦戦していましたが、前進、後進、ポールを回って、と徐々に操作のレベルが上がっていきます。車いすの扱いにも慣れたころに、チーム対抗のリレーをしました。みなさん、自分のチームを大きな声で応援しながら白熱した戦いを繰り広げていました。

○障害者スポーツ体験(視覚障害)
 視覚障害者スポーツである「ゴールボール」の体験をしました。ゴールボールは、プレーヤーが目の部分が黒く塗られたアイシェード(目隠し)を付けて、中に鈴が入ったゴムボールを相手ゴールに向かって転がし、ゴールラインをボールが通過すると得点になります。大きな声で呼びかけ合いながらパスの練習をした後、実際に試合を行いました。ゴールに向かってまっすぐ投げること、鈴の音を頼りにボールを阻止することは簡単ではありませんでしたが、試合を邪魔しないように静かに、かつ大変盛り上がりながら体験することができました。
 体験終了後に引率の先生方から、「授業では勉強することができない、たくさんの貴重な体験をさせていただきました。」とのお言葉をいただき、国リハ子ども体験デーを無事終了することができました。小学生のみなさんには、これを機会にぜひ当センターを身近に感じていただき、また、今後、「障害」や「福祉」について関心を深めていただけたら嬉しいです。

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