「障害への理解を深める」職員研修会の開催
                患者サービス向上委員会

患者サービス向上委員会では、平成20年より「障害への理解を深める」というテーマで職員研修会を実施しています。この研修会は、当センター及び病院を利用されている様々な障害をお持ちの患者さまに対して、すべての職員が「障害への理解を深める」ことで患者さまへの接遇の向上をはかることを目的とした接遇研修の一環でもあります。
 平成20年から平成27年までの7年間は、計5回にわたって、「視覚障害」及び「聴覚障害」に焦点を当てて研修会を実施してきました。この研修会では、視覚障害についてはリハビリテーション部ロービジョン訓練の職員が、聴覚障害については言語聴覚(ST)の職員が講師となり、座学による講義に加え、実際に「見えにくさ」「聞こえにくさ」の疑似体験を通して学ぶ内容となっており、患者さまが日常どのような不便を感じているか、また、職員としてどのようなサービスを提供するべきかを考える機会となりました。
 研修会の参加者からは「視覚、聴覚障害の方が不自由に思っているところが良くわかって勉強になった。」「体験ができて、具体的なイメージがつきやすかった。」「障害を持った方への接遇が理解できた。」などの感想が聞かれ、多くの職員の視覚障害・聴覚障害への理解が深まったと感じています。
写真:平成25年度研修「文字が読みにくい」視覚障害疑似体験
平成25年度研修「文字が読みにくい」視覚障害疑似体験
写真:平成25年度研修「安全な誘導方法」視覚障害疑似体験
平成25年度研修「安全な誘導方法」視覚障害疑似体験
写真:平成25年度研修「聞こえにくいとは」聴覚障害疑似体験
平成25年度研修「聞こえにくいとは」聴覚障害疑似体験
 28年度は、5月に開催された新採用者職員向けの研修会で、センター全体のオリエンテーションとして高次脳機能障害、聴覚障害、視覚障害についての講義が組み入れられ、患者サービス向上委員会として運営に参加していましたので、それに伴って、今年の病院での委員会としての研修企画は、さらに新たな障害についての知識を深めることを目標としました。
 そこで、肢体不自由に着眼し、肢体不自由の皆さまが利用している「電動車いすの利用者への接遇」に焦点をあて、平成28年7月28日にリハビリテーション部理学療法の職員の協力のもと、初めて理学療法室での開催となりました。
 参加者は、管理部長、事務職員、看護助手、看護師、訓練部職員、自立支援局職員等々、総数40名の参加があり、主催者を全て含めると約60名が参集したことになります。
 理学療法の岩崎士長は、電動車いすの取り扱いについて次のようなことを強調されました。①電動車いすは、道路交通法では歩行者であり右側通行である、②電動車いすは、レバーを倒した方向に曲がり、その角度が速度となり、離せば止まる、③電動車いすの利用者は重度の障害の方が多く、最近では外出機会も多いために、一番困っていることは、エレベーターのボタンが押せないこと(手が届かない、ボタンを押す力がない)の3点です。
写真:電動車いすの取り扱いについての全体説明
電動車いすの取り扱いについての全体説明
 その後の演習は、2グループに分かれ、参加者は理学療法の職員から数種類の電動車いすの操作方法の説明を受けながら、実際に操作を体験していきました。
 初めて電動車いすを体験する人がほとんどで、「患者さんの立場を体験し、運転の難しさ、怖さを感じた」「顎での操作はコントロールが難しく、患者さんの努力の賜物であることに気付いた」「電動車いすにより、患者さんの行動範囲が広がり活動できることがわかった」など様々な感想が聞かれました。短い時間でしたが、貴重な体験を通して、患者さま目線で障害について考える機会となりました。
電動車いすを実際に体験
写真:電動車いすを実際に体験



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