第23回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師国家試験の結果について

　　　　　　　　　　　　　　　　自立支援局 理療教育･就労支援部 理療教育課

自立支援局では、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師（以下「あはき師」という。）の資格を取得するための就労移行支援（養成施設）を実施しています。
 資格を取得するためには、３年（専門課程）または５年（高等課程）の修学により、必要な知識・技能を修得し、あはき師国家試験に合格することが必要ですが、資格を得ると自由に開業できるという道が開けます。

  あはき業は、視覚障害者にとって伝統ある仕事として継承されており、従来、先天的な視覚障害者は盲学校（文部科学省）、中途視覚障害者は、養成施設（厚生労働省）という傾向が見られましたが、近年では分け隔てなく、その対応が行われています。

 自立支援局で行う就労移行支援（養成施設）は、障害者総合支援法に基づく指定障害者支援施設であり、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援していくという側面と、学校教育法に基づく専修学校として、職業教育・専門的な技術教育を行う教育機関としての側面もあり、福祉と教育の両輪により、利用者の自立と就労を一体的に支援するという役割を担っています。

 今年の２月に第２３回あはき師の国家試験があり、３月２７日に合格発表がされましたので、その結果を報告させていただきます。

 自立支援局からは、リハビリセンター(所沢)及び各視力障害センターから、現役受験者５１名(専門課程46名、高等課程5名)が受験をしました。
 受験者の平均年齢は約４２歳、障害者手帳の１級、２級の所持者の割合は、約７割でした。

 使用文字として「点字」を活用されている方（２４％）であっても、フレックストーク等の音声機器を併用した学習手段を取られる方が大半で、「拡大文字」を使用される方（５８％）でも、音声機器を併用した学習が多く見られるようになってきています。
 また、視覚障害以外にも他の障害（重複障害）や疾病を合せ持つ方の割合も増加しているところです。

 このように、受験者年齢、学習環境の変化、重複障害者の増加等に対応し、より良好な学習環境を維持できるよう、心身のサポートや保健・衛生面で、個々の利用者の能力に応じた支援に努めています。

 あはき師の国家試験の合格率向上に向けた取り組みについては、通常のカリキュラムに沿った授業以外に、受験学年に対して年３〜４回の模擬試験を実施し、試験結果から得られたデータから、受験者ごとの学習到達度や苦手分野・弱点を分析し、それぞれの課題に応じた補習授業を実施しています。

※リハセンター（所沢）では、第23回国家試験に向けた受験対策として、模擬試験を４回実施（5月、7月、11月、12月）し、第１回目は、既習科目の苦手科目の確認、第２回目は、夏休みの課題、第３回目は、理教連模試による知識の定着、第４回目では、冬休みから最終受験までの課題の確認を行いました。

※模擬試験後の補講では、苦手科目や苦手分野を試験結果から分析し、受講科目を決めて少人数制による放課後補講（6月〜12月）、冬休みに基礎・応用の2クラス編制による補講、受験直前補講として受験の最終チェックのための補講を行いました。

 これらの学習環境の支援、国家試験のための受験対策等を通じて、あん摩マッサージ指圧師については、９５％台の合格率となり全国平均を上回る結果でした。はり師、きゅう師については、それぞれ７２％台、７０％台という結果を得ることができました。

 国家試験の合格は、あはき師としての長い人生の中で、スタート地点でしかなく、その後の人生の方がはるかに重要であることは言うまでもありませんが、利用者の全員がスタートラインに立てるよう、今後とも、より一層のサービスの向上に取り組んでまいります。

 卒業された皆さんが、幾多の困難を乗り越えて、活躍されることを期待し、教職員一同、卒業後の支援にも、しっかりと取り組んでまいります。