「平成26年度 頸髄損傷者に対するリハビリテーション研修会」開催報告

自立支援局 自立訓練部

 去る10月25日(土)、26(日)の両日、別府重度障害者センターにて、頸髄損傷者に対するリハビリテーションの現状等を踏まえ、今後の適切な支援等について関係者と情報交換することにより頸髄損傷者に対するリハビリテーションの普及を推進させることを目的とした標記研修会が、約150名の参加者を迎えて開催されました。
 この研修会は、頸髄損傷者のリハビリテーションに取り組んでいる国立施設が開催しており、一昨年の国立障害者リハビリテーションセンター、昨年の伊東重度障害者センターに引き続き、今回で6回目の開催となります。
 初日は、飯島自立支援局長による開会の挨拶に続き、労働者健康福祉機構総合せき損センター副院長、植田尊善先生による「脊髄損傷者の臨床、救急から車いすスポーツ、社会復帰までの実際」と題した基調講演が行われ、画像等を交え、頸髄損傷の病態や急性期医療から回復期医療までについて、大変わかりやすい解説とともに、長年、脊髄損傷者の社会復帰支援に携わってこられた実績に基づく取り組みについて、示唆に富むお話を伺うことができました。


 その後、別府重度障害者センター、伊東重度障害者センター、リハセンターから、地域移行に向けた支援の取り組みや、頸髄完全損傷者クラス別ADL達成目標と標準支援期間、社会資源の活用等、自立支援局での取り組みについて報告を行いました。参加者は、急性期や回復期を受け持つ病院の理学療法士や作業療法士の方が8割以上でしたが、看護師、介護福祉士、ソーシャルワーカ等の方々も参加いただき、各専門領域以外の部分についても、皆さん、熱心に聴講されていました。
 2日目は、別府重度障害者センターにおいて、頸髄損傷者に対する理学療法、作業療法、職能訓練などに関する実技や、訓練等に係る相談、展示コーナー(PT・OT・看護・介護)が開設されました。
 当センターも、27年度に伊東重度障害者センターとの統合を行い、医療から地域移行まで一貫したサービスをより多くの頸髄損傷者に提供するにあたり、医療機関と障害者支援施設の役割の違いや支援施設としての特色などを再確認する機会となりました。
 今後とも、本研修会を継続し、国立機関として頸髄損傷者に対する支援の充実を図るための情報発信や全国の医療機関との連携の場としていきます。

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