平成23年度学院卒業式

学院事務室

 去る3月6日(火)、当センター学院講堂において、平成23年度学院卒業式を挙行しました。式は厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室 黒澤室長をはじめとして多数のご来賓や当センターの幹部職員のご参列をいただき、おごそかな雰囲気の中、始まりました。

 まず、江藤総長より卒業生57名に対し卒業証書が授与されました。卒業生達は自分の名前が呼ばれると緊張の面持ちで壇上に上がり、卒業証書を受け取っていました。卒業生達の表情からは、2年間あるいは3年間の課程を無事に終えたことに対する誇らしさや喜びがうかがえました。

 卒業証書授与のあと、中島学院長の式辞がありました。式辞の中で学院長は、「皆さんは立派に専門職として通用するだけの知識と技術を身につけ、社会へ羽ばたこうとしています。学院の教育ぶりもさることながら、皆さんの努力がいかに素晴らしかったかということです。」と、これまでの学生達の努力を称えました。また「思い」を持って働くことの重要性について触れ、「思いを持たずに働くことは退屈な人生となりかねない、2年後のこの時期に、今日の卒業式を思い出し、思いを新たにして充実した人生を送ってください。」とはなむけの言葉を述べられました。

 その後、江藤総長から、「志を同じくする先輩として皆さんの巣立ちを心から歓迎します。そして、今日、個人の力を回復するためにリハビリテーション医療が行われているが、医療だけでは障害による不利や差別を解消することはできません。幸福感のある生活を実現するためには福祉サービスの充実が必要とされています。皆さんは医療と福祉の連続と連携の重要性を忘れないようにしてください。」と祝辞をいただきました。

 引き続き、来賓紹介及び祝電披露が行われた後、義肢装具学科2年の徳田和彦さんが、卒業生を送る言葉として、「入学したときから親しく関わりをもち、いろいろ教えていただきありがとうございました。先輩方が積み重ねてきた伝統を受け継ぎ、将来、共にそれぞれの分野で活躍できるように頑張りたいと思います。」と述べました。

 これを受けて、手話通訳学科2年の佐々木麻子さんと三好祐子さんが卒業生を代表し、手話を交えながら別れの言葉を述べました(文末に全文掲載)。

 最後に言語聴覚学科1年 佐藤仁美さんのピアノ伴奏により、全員で蛍の光を斉唱し、閉式のことばで式を終えました。あいにくの雨模様のせいか着物姿の卒業生は少なかったものの、厳粛な印象に溢れる卒業式でした。

 卒業式に引き続き、恒例の卒業生主催による謝恩会が学院6階の大研修室で行われ、リハビリテーション体育学科の学生による華麗な踊りや勇壮な太鼓のアトラクションが披露されるなどして、一同和気あいあいの楽しいひとときを共有することができました。

 卒業生皆様方がそれぞれの進路において、今後、益々ご活躍されますよう祈念します。



別れの言葉

厳しかった冬の寒さもようやく緩み始め、ようやく春の訪れを感じられるようになりました。

 本日はわたしたち卒業生のために、このような盛大な卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。またご多忙の中をご出席いただきましたご来賓の皆様、江藤総長をはじめ、学院長、各学科の諸先生方、外部・内部の講師の先生方、当センターの職員の皆様に、卒業生57名一同心から感謝申し上げます。美しい桜のもと、期待と不安を胸に入学したことを、昨日のように思い出します。

 学院では、専門的な技術や知識を学び、球技大会や体育祭、交流会で他学科の学生と語る機会がありました。専門分野は異なっていても、皆、同じように目標に向かって頑張っていることを知りました。かけがえのない友人たちと過ごす中で得たことは、わたしたちの貴重な財産となりました。在学中は当たり前のように感じておりましたが、諸先生方や友人たちとこのような素晴らしい時間を共有できましたことは、今振り返りますと懐かしく、忘れることのない思い出となりました。いざ卒業となりますと、将来への希望を抱くと共に、学び舎を去る寂しさも感じております。

 昨年3月11日に東日本大震災が発生し、多くの方が犠牲となりました。震災時には、障害を持つ人たちが逃げ遅れて津波の被害にあったことを聞き、わたしたちはなにができるのかを、あらためて考えさせられました。大震災から1年が過ぎようとする今、復興に向けた歩みが、少しずつですが着実に進められる一方、いまだ不自由な生活を強いられている方がたくさんいらっしゃいます。学院の卒業生として、そして社会の一員として、復興支援にどのような形で参加していくのか、果たすべき役割はなにかを、積極的に考え行動していかなくてはならないと考えています。

 わたしたちは、常に初心を忘れず、学院で学んだこと全てを糧として、これからも精進していきたいと思います。

  最後になりましたが、学院のますますのご発展と、本日ご臨席賜りましたご来賓の皆様、諸先生方、並びに在校生の皆様のご多幸と一層のご健勝をお祈りし、別れの言葉といたします。

平成24年3月6日
卒業生代表 手話通訳学科
佐々木 麻子
三好 祐子


写真1 卒業証書授与 写真2 中島学院長 式辞
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