頸髄損傷者に対するリハビリテーション研修会に参加して
自立訓練部 機能訓練課 輪竹 一義

平成23年11月12日(土)・13日(日)の2日間に亘り別府重度障害者センター主催による、頸髄損傷者に対するリハビリテーション研修会が別府大学メディア教育・研究センターと別府重度障害者センターにて開催されました。今回の研修会は、医療機関と地域社会の中間施設である自立訓練施設でのリハビリテーションのノウハウを医療・福祉関係者に紹介することを目的に行われました。当部からケースワーカー1名、理学療法士2名、作業療法士2名が参加しました。

 一日目は、中村自立支援局長による基調講演が行われ、国リハ自立訓練部、伊東重度障害者センター、別府重度障害者センターの順で、損傷レベルの違う一症例に対する各部門の取り組みについて発表が行われました。中村局長の基調講演は「圧迫性/外傷性頸部髄障害 −原因と治療の現状−」という表題で、頸髄損傷の基本的な病態がわかりやすく説明され、現在は高齢者で不全損傷の方が増えている現状とそれに伴う問題点などについて講演がありました。症例発表については、当部からC7頸髄完全損傷で軽度の褥瘡を繰り返し訓練が進みづらかった症例に対する取り組み、伊東重度障害者センターからC6頸髄完全損傷者の社会復帰に向けての取り組み、別府重度障害者センターからC5頸髄完全損傷者の社会復帰に向けての取り組みが部門ごとに発表されました。

二日目は職種ごとにグループに分かれ、理学療法士・作業療法士は別府重度障害者センターの各訓練部門(理学療法・作業療法・スポーツ訓練)で行われている訓練内容を見学・体験し、ケースワーカーはスカイプを用いて修了生と通信し、センター利用中・修了後の生活状況などについて生の声を聞くことができました。訓練内容に対しての見学・体験では利用者の皆さんに協力して頂き、実際の訓練場面や道具を使い説明されていたのでとてもわかりやすい内容になっており、活発に質疑応答がなされていました。
 私個人としては、一日目は基調講演の内容と私の発表内容が重なっておらず、研修会に参加された方にとっては全体として考えると統一感を欠くものになってしまった反省があります。二日目は基本を見直し、今後の利用者に対する訓練内容を見直す良い機会となりました。今回の研修会では、現在国立施設に何が求められ、頚髄損傷者のリハビリテーションの質を高めるために何が不足しているかを考える1つの契機となりました。

 最後になりますが、研修会を開催するにあたり協力して頂いた利用者の皆さん、準備から運営までご尽力いただいた関係職員の方々に厚くお礼申し上げます。


中村局長による基調講演
写真 中村局長による基調講演その1 写真 中村局長による基調講演その2
 
リハスポーツ体験 PT訓練実技
写真 リハスポーツ体験 写真 PT訓練実技
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