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〔巻頭言〕

新年の挨拶

総長 飛松 好子


 あけましておめでとうございます。旧年中は、国立障害者リハビリテーションセンターの運営にあたり、ご尽力くださいましたことに感謝申し上げます。
 さて、年頭にあたり昨年を振り返ってみますと、昨年は第2期中期目標の3年目の年でした。
さらにはPDCAサイクルを取り入れた、こちらも3年目の年でした。
 第二期中期目標として掲げた点は、国立の機関として、障害における多様な支援ニーズに応えるため先導的、総合的な展開を図ること、政策的課題に取り組むこと、そして、これらの取組の実際や成果を広く公表していくことです。
社会に公表することは、成果を社会に還元するだけでなく、障害のある人のニーズが社会に伝わり、共生社会の実現につながります。
 昨年、改めてセンターの役割というものを何度も振り返りました。センターは常に時代の変化を捉え、そのニーズに応えるものでなくてはなりません。
 センターには3つの柱があります。一つには障害者への直接サービスがあります。これは未だ取り組みが遅れている障害や、医療、社会の発展により新たにリハビリテーションが必要となった疾患、障害への直接サービスとその情報発信です。また古くから取り組んできた障害にも、時代のニーズや、当事者のニーズに応じて取り組みはじめたリハビリテーションもあります。医学の進歩によって新たにリハビリテーションが必要となる分野もあります。再生医療リハビリテーションはその一つです。どの取り組みも病院や自立支援局ばかりでなく、研究所、学院での研究や人材育成がその背景にあります。
 さらには障害者の生活を考えたときに、健康増進・運動医科学センターの取り組みも忘れてはなりません。健康であることは日々の生活を送り、また楽しむためにとても重要です。障害者健康増進/運動医科学支援センターは障害者の健康を保ち、活動を活性化するために作られました。今後発展させていかねばならない取り組みです。
 もう一つの柱は、国内の情報のネットワークの要となることです。高次脳機能情報支援センター、発達障害情報支援センターがその役割を担っていますが、今後とも充実させていく必要があります。また他の分野についてもこのような情報支援センターを作り、その分野における情報ネットワーク化の要となっていくことが求められています。
 最後にナショナルセンターとして重要なことは、国際社会において日本のリハビリテーションの情報発信、紹介の要であるということです。
WHOの協力機関としての活動や外国の方々の見学や研修の受け入れ、協力がこれに当たります。これらの柱を推進するためには各部門の連携が必要です。一人一人がセンターの重要な柱を担っている、一人一人が主役であるという心意気で、今年もがんばりましょう。
 本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。