〔特集〕
平成26年度運営方針
 

②病院

 病院では国立障害者リハビリテーションセンター中期目標に基づき、平成26年度運営方針について次の取り組みを強化していきます。

1 総合的リハビリテーション医療の提供
(1) 包括的な障害者医療の提供
新病院で導入される放射線機器や情報システム機器の活用に向けて、充分な技術取得と知識更新を行います。視覚リハ支援ソフトの効果判定調査とロービジョン患者の実態とニーズ把握、言語聴覚機能評価に関しての評価・訓練方法の検討、言語聴覚障害のある方の活動・参加を促進するための環境因子に対するアプローチ及び重複障害のアプローチの検討を実施します。さらに、発達障害者へのデイケア、両上肢機能不全者への多焦点レンズ水晶体再建術を開始します。
(2) 臨床研究開発機能の強化
継続的に医療を必要とする難病患者の社会参加に向けての支援の研究、吃音症例への標準的リハビリテーションプログラムの検討、難聴及び網膜色素変性症患者における原因遺伝子の解明と臨床診断への応用の研究、新しいケア分野としての看護師や多職種によるケア外来やケア相談機能を新設するための研究を進めます。
(3) 先進的リハビリテーション医療の推進
脊髄損傷リハ、高次脳機能障害者リハ、先天性四肢欠損児等に対するリハビリテーション手法の開発、中等度以上の見当識障害・記憶障害患者への代償手段の活用手段手順の検討、他部門との連携による視覚障害支援のあり方についての協議を実施します。
また、スポーツを楽しむ障害者の健康管理と二次的障害予防及びスポーツ機器の適合、競技力の向上等を図るため、健康増進・スポーツ外来の充実を図ります。
(4) 福祉機器の総合的な適合サービスの提供体制の整備
高齢及び重度・重複障害を有する視覚障害者とその家族が参加する短期間の入院訓練を行います。
(5) 地域・関係部門との連携体制の強化
言語聴覚療法部門、医療相談室での地域連携を図ります。また、自立支援局や他の医療機関との専門職とも連携を図ります。

2 リハビリテーション技術・福祉機器の研究開発
医療から福祉までの臨床、現場を有する特性を活かした研究課題を設定し、EYS遺伝子による網膜色素変性症の遺伝疫学と臨床的特徴について学術雑誌に報告します。

3 総合的リハビリテーション医療の提供
専門職としてのケア能力開発の強化として、ケアスタッフの能力向上を目的とした、専門職業人としての士気の向上、資格取得をすすめ、医療サービスの質向上に繋げます。

4 リハビリテーション健康増進プログラムの提供
「健康教室」の定期的開催、健康増進モデル事業・障害者用人間ドッグの継続、片麻痺患者の健康状態についての郵送調査を行います。
また、スポーツ科学支援センターとして、国内の視覚障害者スポーツの実態調査を行い、障害者スポーツの普及に努めます。

5 リハビリテーションに関する情報収集及び提供
情報収集のための関係諸機関とのネットワークの構築として、視覚リハ支援ソフト「ファーストステップ」の活用について関係機関にさらなる普及啓発を図り、さらなるデータ収集と解析を行い、判定アルゴリズムの改善に向けた提案を行います。

6 業務管理(リスク管理)の充実
平成26年9月実施の病院機能評価受審にむけての取り組み、新病院における医療安全体制の充実、新たな院内感染防止対策への取り組みに努めます。

7 財務内容の改善に関する事項
入院病床利用率の向上を図ります。

8 その他業務運営に関する重要事項
新病院への円滑な移転作業と患者満足度調査を実施します。また服薬支援と指導の充実、ドーピング防止相談の充実に取り組みます。