学院・義肢装具学科の変遷
〜卒業研究を中心として〜

学院 義肢装具学科 根岸和諭・高嶋孝倫・有薗裕樹・大石暁一

【はじめに】

 学院・義肢装具学科は国内初の義肢装具専門職員の養成校として1982年4月に開校し、本年度でまる20年目を迎えた。1988年には義肢装具士法の施行に伴い、義肢装具士養成校として厚生大臣より第1号の指定を受けて現在までに172名の卒業生を輩出している。
 本発表では本学科開校以来の変遷を、卒業研究を中心としながらカリキュラムや教育体制等を併せて行っていくこととする。

【カリキュラム】

 開校当時の総時間数は3年間で4,570時間であったが、上述の義肢装具士法の施行に伴い、現在では3,240時間に変更された。カリキュラムとしては人文科学や自然科学からなる「基礎科目」、医学や工学からなる「基礎専門科目」、そして義肢装具に関するものからなる「臨床専門科目」、そして「その他の選択必須科目」の4つにより構成され、そのうち卒業研究は「その他の選択必須科目」に位置付けられている。

【卒業研究】

 卒業研究は3年次に1年間を通して行ない、論文の提出と研究発表を実施している。昨年度までの卒業研究の数は155題を数え、大別すると義肢関係が71題、装具関係が51題、義肢装具材料関係が9題、その他24題となっており、義肢関係が数多くなっている。
 内容として、義肢装具についての研究を行うのは勿論であるが、近年では入学生のバックグラウンドが年々変化(高学歴、専攻分野の多様化、社会人経験者等)してきているため、選択する題材もそれを反映して多岐にわたったものとなってきている。

【展望】

 本学科における卒業研究とは3年間の総まとめとして位置付けられ、また卒業後の自己の専門を持つという意味でも非常に有効であると考える。今後義肢装具の領域も専門分野が細分化され、それに見合った義肢装具士が必要とされる時代が来るであろう。本学科では時代に即応し、かつ義肢装具士の知識及び技術の更なる向上を目指す教育を行っている。




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