入所者診療室利用状況

病院 看護部 外来・入所者診療室 新井美智子・西川民子・外来看護婦・関寛之・牛山武久・長田しをり

1.はじめに

 当センター入所者診療室は、入所生の健康管理を目的として、昭和54年健康管理室として発足した。入所者の定期健康管理、予防接種、救護活動などの他、8時30分から17時は看護婦対応にて保健活動、19時から20時は当直医による夜間診療を行っていた。平成10年から入所者診療室として改められ、平成12年からは、夜間診療は、朝8時30分から9時の診療へ変更になり(医師1名と看護婦1名)、18時から20時は看護婦1名の対応となった。9時から17時看護婦1名で対応しており、入所者診療室における定期健康管理および利用件数については、毎月障害別に報告しているが、今回平成12年度の利用状況を分析し、入所生の健康自己管理を考察した。

2.期間

 平成12年4月1日〜平成13年3月31日 入所者診療室開室時間

3.結果

 8時30分から9時の医師診療時間は、総件数が757件であり、脊髄損傷者の褥創や火傷、切傷などの外科的治療が424件56%と圧倒的に多く、風邪や下痢など処方を伴う内科的治療が236件31%、眼科や耳鼻科的疾患および検査が必要な場合は外来受診が65件9%、健康相談による保健指導は32件4%であった。8時30分から20時の看護婦対応では、健康チェック1,221件41.5%、処置695件23.6%、健康相談536件18.2%、外来受診199件6.8%、その他168件5.7%、服薬指導65件2.2%、低血糖40件1.4%、爪切り18件0.6%であった。

4.まとめ

 朝の医師の診察は、平均すると3〜4名であるが、時には10名くらいになることもあり、時間が延長し外来診療にもさしつかえることがある。しかし、入所生にとって外来受診は授業や訓練に影響すると考えており、朝の診察は貴重である。
 看護婦対応では、高血圧症の血圧、糖尿病の血糖、血圧、肥満の体重などの健康チェックしており、外来における定期受診でも治療の参考となっている。健康チェックや健康相談、処置時に、排泄コントロールや血糖コントロールまたはインスリン注射や血糖チェック後の針や腹膜透析後のチューブなど医療廃棄物の正しい廃棄の方法など保健指導を行っている。低血糖は、平成12年度入所者診療室で把握しただけでも40件あり、10時から12時30分に集中しておりあんまや体育の授業後が多い。糖尿病外来でもあんまの日のインスリン注射量など指導されているところであるが、歩行時のエネルギー消費に比べあんま時のエネルギー消費はおよび体育は個人差があると思われる。体育は運動量の調整ができるがあんまの実習は調整できないため、低血糖をいかに防止するか今後の課題と思われる。




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