医療相談開発室の利用者概況

病院 医療相談開発部 医療相談開発室 上野久美子・久保明夫・母袋道子・小山聡子・大津あかね・佐久間肇

1.はじめに

 医療相談開発室では、患者だけでなく、家族、他の医療スタッフおよび外部の機関を含めた医療福祉相談を行っている。当室の利用者概況を調査するため、今年度より改めて調査票を作成した。本稿は、その概況について述べる。

2.調査内容

 医療相談者名簿(調査票)より、延べ相談件数から当室の相談傾向を把握した。

(1)相談方法による分類:面接、電話、その他(メール・文書など)と区分した。

(2)入院・外来別の分類:入院患者に関する相談は「入院」、外来患者に関する相談は「外来」、その他の患者に関する相談は「その他」と区分した。

(3)障害別の分類:肢体不自由、聴覚・言語障害、視覚障害、高次脳機能障害、その他と区分した。(重複の場合は主だったほうとする。)

3.結果

 4月から10月までの延べ相談件数は2,039件であった。そのうち面接による相談は1,106件(54%)、電話による相談は904件(44%)、その他(メール、文書等)による相談は29件(2%)となった。
 面接による相談では、入院患者に関する相談が75%、外来患者に関する相談が19%、その他の患者に関する相談が6%であった。電話による相談では、入院患者に関する相談が40%、外来患者に関する相談が7%、その他の患者に関する相談が53%であった。
 障害別に見ると、肢体不自由が74%、聴覚障害が1%、視覚障害が4%、高次脳機能障害が19%、その他が2%であった。

4.おわりに

 今回は改めて調査票を作成したため、昨年までとの充分な比較ができず、概況を述べるにとどめた。今後の課題として、さらに調査票の内容等を検討し、継続して集計を行いたいと考えている。特に、福祉サービスの利用、社会復帰などといった相談内容については、社団法人日本社会事業協会長あて厚生省健康政策局長通知の「医療ソーシャルワーカー業務指針」による業務の範囲を参考とし、当院の特徴をふまえて調査票に取り入れたい。




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