教授法向上のための組織的取り組みについて

更生訓練所 理療教育部 理療教育課 柳澤春樹・乙川利夫・芦野純夫

 理療教育部では入所者へのサービス向上の一環として「教授法向上のための組織的取り組み」を進めているので以下にその概要を報告する。
 平成12年度はその第1段階として授業の実態を調査し現状を把握することにより、今後部として取り組むべき問題や課題を明らかにすることを目的として実施した。
 今回は授業に関しての入所者へのアンケート調査と教官の自己評価とを実施し、それぞれの回答を対比しつつ検討しようとしたのである。さらに、全ての教官が授業を公開するとともに他の教官の授業を見学することにより、教授法向上のための検討の機会を増やすこととした。
 質問項目と全体の回答結果は資料に示した如くである。
 この結果から「授業内容については、入所者は概ね評価している」、「しかし、授業の進め方については不満を持っている者もおり、教官は多様な入所者への対応に苦慮している」、「入所者の不満の理由を明らかにする必要がある」ことなどがわかった。自由記載には教授法に関するもの、教官の態度や姿勢に関するもの、授業内容に関するものなど貴重な意見も寄せられていた。
 いずれにせよ、これらの結果を謙虚に受けとめ今後どのようにしてより良い授業にしていくべきかを真剣に取り組む必要性を示しているものであった。
 ただし、社会福祉施設の一課程である理療教育課程の入所者は、通常の専門学校の学生とは異なり、年齢や身体状況、目標やニーズ、学習習慣や方法なども多種多様であることも忘れてはならないだろう。
 理療教育部の全教官が授業を公開し、見学する機会を設けたことは、各自が教授法向上について考えるうえで大変有用であった。
 今後の課題としては、「多様な入所者の実態に即したきめの細かい指導の実践」、「教育目標の明確化」、「教官相互の意見交換の促進」、「関連する他部門の職員との情報交換の促進」などがあげられる。
 今回の結果をもとにして、理療教育部の教官による検討会を開催するなどして、今後もサービス向上のための努力を続けていく予定である。




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