ヘルスキーパー雇用促進の取り組み

更生訓練所 理療教育部 理療指導室 白岩豊・中村治・飯塚尚人・鈴木徹

1.「ヘルスキーパー」とは

 「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」に基づく国家資格を有する視覚障害者であって社員の福利厚生を目的として一般企業に雇用されている者を言い、オフィスヘルスキーパーとも呼ばれている。

2.ヘルスキーパー雇用と就業ニーズ

 雇用する側としては障害者雇用率の充足という目的もあるが、本来の目的である社員の健康管理の一環として導入する傾向も増加している。リストラによる従業員一人当たりの業務量の増加やコンピュータでの事務処理業務が大勢を占めるに至った今日では、慢性的な全身疲労・眼精疲労・頚肩腕症候群・腰痛・不定愁訴等が増加しており、これらに対する予防・治療を目的とするものである。
 一方、就業を希望する者の動機は、勤務時間が通常時間帯であること、週休2日制、収入の安定性、福利厚生の充実等を挙げている。

3.ヘルスキーパー雇用の現状

 ヘルスキーパーとして就業する視覚障害者数は、全国で300名弱と推定されており、平成11年10月実施の関東甲信越地区盲学校養成施設進路指導協議会の卒業生調査では首都圏を中心に85社149名が就業している。また、当センター卒業生は、本年11月現在で31社40名である。

4.ヘルスキーパー雇用促進の取り組み

 当センターでは、ヘルスキーパーを雇用しようとする企業の立場に立って本年4月「ヘルスキーパー制度導入のための手引書」を発行し、ヘルスキーパー制度の普及と雇用促進に努めている。

内容

・ヘルスキーパー業務内容
・採用手順
・ヘルスキーパールームの設置及び運用管理マニュアル
・就業事例
・障害者雇用制度と雇用助成

 また、現任のヘルスキーパーの資質向上を目的として「ヘルスキーパー従事者卒後研修会」を年4回実施している。




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